「人は、自分で聴いて記憶した音しか再現することができない」という言葉を聞き、なるほどと思いました。
だからこそ、レッスンで講師は、初歩の生徒さんが弾くどんなちいさな曲でも
美しく弾くことを心がけたいと思います。
レッスンの中で、私がわざと
左手の伴奏を強く弾いたり、メロディーをぶつぶつ切って弾いてみせ
きれいに弾いたものと比べて
「どっちの方がいい?」と聞くと
どんなに小さな生徒さんでも、必ずきれいな方を選びます。
それだけ、子どもたちは、初めからよい耳を持っているのです。
だから、それをもっと伸ばしてあげるために
レッスンで講師が弾く音は、常に気を配らなくてはならないと思います。
その中で、子供たちは、よい音の出し方を自然に習得していくのだと思います。
指の動かし方、手首や腕の使い方などのテクニックの勉強は
それ自体が目的なのではなく
全て、よい音の演奏につなげるためのものです。
まず大事なことは
よい音を聞き分け感じ取る耳と心を育てることだと思います。
レッスンだけでなくご家庭でも、日頃から
本物の演奏に触れる機会をたくさん持つことも、とても大切なことでしょう。